太平洋沿岸にある千葉県の匝瑳(そうさ)市の海水浴場近くに整備されている津波避難タワーの腐食が進んでいるというニュースを見た。完成から10年しかたっていないのに、潮風にさらされたタワーはさびつき、まるで廃墟のよう。建て替えるにしても物価高などにより建設費が膨大となり、市の財政状況から施工時期は見通せないという。
タワーは津波からの避難という名目上、どうしても海から近くの場所に建設する必要がある。当該のタワーも塩害対策や修繕は行われていたようだが、さびの進行を止められなかった。別の塗装方法で整備したほかの2か所のタワーの状態に問題はなく、原因は特定できていないという。
タワーは建材の耐用年数に加え、地震の揺れと津波の威力に耐えうる構造が不可欠。肝心な時に使用できないとなると、存在する意味がない。当地域沿岸の自治体にも避難タワーが何基か整備されているが、住民が安心して避難できるよう、今一度点検・補修して、いつ発生するか分からない大地震に備え、安全性を確保してほしい。
【織】
