台風一過の青空の下、山々の稜線の濃い緑がくっきりと際立つ。透き通った水をたたえる海は陽光できらめく。相変わらず、この地域の自然は美しい。
投開票を迎える三重県知事選では、防災やメガソーラー阻止、観光振興、一次産業の活性化が争点となった。衰退し続ける県南部に住む身としては、人口減少対策が最も気にかかる。
人口が減少するから、担い手が不足して一次産業も衰退する。消費が少なくなって事業者が減れば、それだけまちとしての利便性も落ちていく。防災のためのインフラが必要でも、人口規模が少なければ整備しにくい。どうにかしようとしても、人が少なくなればアイデアも出にくくなる。この負の循環は多くの人が悩み、未だに解決していない難問である。
この地域だけでなく、人口減少は全国各地で進んでいる。地方だけでなく、いずれは都市部にも広がっていく、日本をむしばむ病魔と言ってもよい。選挙は現状を把握し、政策を考える機会でもある。今回の選挙で議論が少しでも深まればよい。
(R)
