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社説「来年は住民に寄り添う政治を」

 今年も残すところわずかとなり、各所で新年を迎える準備が進んでいる。2024年は「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録から20周年を迎え、各地で記念行事が続いた。12月7日には紀伊半島一周高速道路の一部となる「新宮紀宝道路」が開通。一方で、来年春の開通予定だった「すさみ串本道路」は2年以上遅れることが発表された。串本町からロケット「カイロス」の初号機と2号機が発射され、打ち上げ成功とはならなかったものの、次回への期待を抱かせた。

 2025年は選挙が続く。国政は夏に参院選を控える。和歌山選挙区(改選数1)では改選予定だった世耕弘成氏が衆院にくら替えし、参院議員を自動失職した。与野党が誰を擁立するのか注目される。
 
 地方選では、串本町長選と町議選が4月8日告示、同13日投開票、田辺市長選と市議選が4月20日告示、同27日投開票の日程で行われる。両首長選には先日、それぞれ現職が出馬を表明している。いずれも多選となるが、これまでほかに立候補の動きは見られない。選挙戦か無投票か、動向を注視したい。
 
 夏には太地町議選(8月17日任期満了)、そして秋には新宮市長選(10月29日任期満了)がある。残り1年をきった新宮市長選では、現在4期目の現職が5選を目指すのか、新たな人物が名乗りを上げるのか、構図が見えてくるのはしばらく先になりそうだ。このほか、熊野市長選(11月12日任期満了)、御浜町議選(12月1日任期満了)が予定されている。
 
 自分たちの住むまちのかじ取り役、声を代弁してくれる人を決めるのが選挙。地方ほど地縁血縁の選挙と言われるが、政策論争の中から自分の考えに近いあるいは共感する候補に一票を託すのが本来の姿。有権者には自分たちの意思を示す貴重な機会と捉えてほしい。一方で、候補者には政策を分かりやすく伝える義務がある。近年は投票率の低下が続くが、若い世代の投票行動を促すには、SNSを活用した選挙戦が必須だろう。
 
 物価高騰が続き人々の生活は苦しさを増している。各自治体は基金を切り崩してでも、生活支援につながる施策に予算を充てるべきではないか。住民に寄り添う政治こそ、今求められている。
 

      12月27日の記事

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