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運営の安定と質向上へ 指定管理者決まる 新宮市丹鶴ホール

自主事業増など提案
 
 新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」の指定管理者が、株式会社ケイミックスパブリックビジネス(東京、橋本鉄司代表取締役)に決まった。新宮市議会12月定例会で議案が承認された。来年4月1日に市の直営から指定管理に切り替わる。指定期間は3年間。
 

 ケイミックスパブリックビジネス社(以下、同社)は、指定管理者制度による公共施設の管理・運営業務を行う専門業者。全国63の自治体、81のホールがある公共施設などで、管理運営業務を受託しているという。県内では、和歌山城ホール(和歌山市)や紀南文化会館(田辺市)で指定管理者となっている。

 市文化振興課によると、同社の事業計画書では、現在年平均8回ほどの市の自主事業を、大小含めて年間29回にまで増やすことを提案。また、窓口の開設時間の延長も提案があったという。その他事業全般についてさまざま提案があり、これから協議を行っていく。

 指定管理料は3年間で3億6562万3000円。市が設定した上限額は、過去3年間の丹鶴ホールの運営費用(施設の管理経費・イベント経費・人件費など)から算出して、3年間で計3億7500万円だった。

 なお、丹鶴ホール運営に当たって、市は地元事業者の利用、地元雇用、地元消費を要望しており、同社も前向きな姿勢を見せているという。今後、ハローワークでスタッフを募集する方針。

4社から選定

 丹鶴ホールは2021年10月に開館して以来、文化振興課が事務所に入って市が直営していた。開館から3年が経過し、同程度の運営費用で指定管理者の導入が可能であることがわかり、人事異動のある市役所と比べて安定的なサービス提供が可能な点などから、指定管理制度を導入することとなった。

 今秋に業者を募集。この間、9月には現地説明会を行い、複数事業者が参加。その中から市内2社、市外2社の計4社が応募した。11月に市職員4人と民間有識者2人で作る「選定委員会」が各社のプレゼンを審査し、候補予定者を市教委に報告。12月議会の議決をもって、同社が候補者として決定した。

 審査は事業計画書に基づいて行った。審査基準は大きく「利用者の平等な利用の確保」「施設の効用を最大限に発揮できるか」「施設の管理を安定して行う能力」「施設の管理にかかる経費の縮減が図られるか」の4つ。これらの中にさらに細かい審査項目があり、それらの点数の総合が最も大きい業者が指定管理者となる。同社は600点満点中421点で、次点の業者は333点だった。

 来年4月1日以降は、1階窓口事務所部分の文化振興課は本庁へ戻る。2階の文化振興課文化財係と4階の図書館は市直営で運営を継続する。

      12月27日の記事

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