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生活にも身近な生物多様性 ネイチャーポジティブの意義示す

【一部既報】https://digital.taiheiyo-np.jp/mie/owase/58208

 尾鷲市は11月30日と今月1日、市民文化会館せぎやまホールでネイチャーボジティブアクション会議を開いた。各企業による尾鷲での取り組み紹介と加藤千速市長の宣言に先立ち、専門家3人ら、ネイチャーポジティブ(生態系の回復)の必要性や意義、世界的な取り組み、各地での取り組み事例などを紹介した。
 
 このうち、環境省国立公園利用推進室の佐々木真二郎室長は、生物多様性について「全ての生物の間の変異性をいうもので、種内、種間の多様性および生態系の多様性を含む」と説明。過去50年間損失を続けており、生態系が多様であるためもたらされる〝生態系サービス〟は劣化傾向にあると紹介。「損失速度は緩和されているものの、損失を回復するには至っていない」と指摘した。
 
 生態系の危機については
  • 開発など人間活動
  • 自然に対する働き掛けの縮小
  • 人間により持ち込まれたものによるもの
  • 地球環境の変化
 —の4類型があると紹介。また、生態系サービスの一例として、漁獲量やマツタケの生産量の減少、ウナギの漁獲量の激減などを挙げた。
 
 多様性が必要であることについては、種類が抱負であることでさまざまな恵みが得られること、同じ種の中でも多様性があることも加え、生産性や適応力、強じん性が増すとも紹介。「生物多様性や自然資本は社会・経済の基盤」と語ったほか、資産形成に例えて「不確実性の高い、変化の時代のポートフォリオ」と説明した。
 
 公益財団法人日本自然保護協会の高川晋一さんは、食や秋の七草など身近なものを例に自然環境の現状や、自然の恵みについて説明。ニュースで大きく取り上げられた、スズメやヒバリ、チョウ(蝶)の3分の1の種が絶滅危惧(きぐ)種と同等のスピードで減少していることや、企業が環境に配慮した経営を求められていることを報告し、「自治体と多数の企業との共創によって、尾鷲市から成功例を作り出したい」と意気込みを示した。
 

      12月 4日の記事

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