新宮市立城南中学校(全校生徒154人)と同市立王子ヶ浜小学校(全校児童316人)は15日、令和6年度城南校区合同避難訓練を実施した。地震・津波を想定し高台の近畿大学附属新宮高校・中学校のグラウンドに避難した。講話には近大新宮中学校の生徒(125人)も参加した。
東日本大震災と同規模の地震発生に伴う、家屋倒壊の危険性や津波を想定し、児童・生徒が安全かつ迅速に避難できるよう訓練するもの。また小・中学校合同で訓練する姿から、地域の防災意識の向上を図ることも目的としている。
訓練には、新宮市、新宮警察署、新宮市消防本部、紀南教育事務所東牟婁教育支援室、蓬莱公民館、王子公民館、下田児童館、浮島児童館の各機関も協力した。
午前10時30分、地震が発生したことを想定し校内に放送が流れた。児童・生徒たちは揺れがおさまるのを待ち、迅速に避難を開始。高台にある近大新宮高校・中学校のグラウンドに向け、避難時の心得や避難経路を確認しながら目指した。
近大新宮のグラウンドに避難完了後は講話。新宮市消防署の沖﨑勝己副署長は避難時の約束「おはしも(おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない)」をしっかり守って避難するよう伝えた。また「地震や津波から身を守るためには、まずは日頃から訓練、そして災害に対する備えが大切だと思います。こういった訓練を継続していき、訓練のための訓練にならないように意識を持って取り組んでもらいたい。まずは自分の命は自分で守る。命を守る行動をお願いします」と呼び掛けた。
新宮警察署の署員は、津波避難三原則「想定にとらわれるな」「最善をつくせ」「率先避難者たれ」を紹介した上、「これをしっかり忘れずに大きな地震が起こった時はそれを思い出して行動してほしい」。また、中学生には「率先避難者になれるように自分で心掛けてほしい。中学生の皆さんが避難すればそれを見て小学生、地域の人たちも避難することができると思います」と伝えた。
城南中の吉田元紀校長は、「地震はいつ起こるか分かりません。今の私たちの力では防ぐことができません。だからこそ、しっかりと準備する。今日覚えたことを家族と話し合いながら災害に対する準備を実行してください」と呼び掛けた。