御浜町教育委員会は19、20日の2日間、熊野古道世界遺産登録20周年記念事業として横垣峠と風伝峠の熊野古道ウオークを開催した。初日は同町神木地区から阪本地区に通じる横垣峠、2日目は尾呂志地区の風伝峠。それぞれ20人が参加し、午前中は同町中央公民館で座学、午後から語り部のガイド付きで峠ウオークを満喫した。
このうち初日の座学は講師に熊野研究家の三石学さんを招いて「熊野古道伊勢路~世界遺産登録までの歩みと街道の魅力~」と題し、三石さんが発掘を手掛けた当時の熊野市二木島町から新鹿町にかけての古道や、当時の松本峠はまだ田んぼが残っていたため、今の苔むした様とは違って明るかったことなど語った。
世界遺産登録の際、三重県側のイコモス(国際記念物遺跡会議)の説明員として随行した現地視察を振り返って、遠足に訪れていた紀北町の中学生が元気よくあいさつをした姿が地域の学習の現場になっていると、イコモス側にずいぶんと好印象を与えたと話した。
午後の横垣峠ウオークは神木公民館から折山神社にかけて、急坂のある約3キロの道のり。同町文化財調査委員で語り部の山﨑るみさんと清水鎮一さんが一緒に歩いてガイドし、最後に熊野曼荼羅絵解きに耳を傾け、熊野信仰について学びを深めた。
講座2日目は山﨑さんが座学の講師も務め、尾呂志地区のさぎり茶屋から風伝峠登り口までの約4キロを歩き、田園と山並みが美しい山里を堪能した。
※ウオークの写真はツーリズムみはま提供