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不連続線「核兵器が使われない社会に」

 今年のノーベル平和賞に、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が選ばれた。受賞理由は「核兵器のない世界の実現に尽力し、核兵器が二度と使われてはならないことを証言を通じて示してきた」。
 
 ノーベル平和賞に政治的な意図があるのなら、今回は核兵器のない世界への後押しにほかならない。世界にとって、とても重い受賞である。
 
 核被害の悲惨さは言語に絶する。だが、世界には核兵器を交渉カードに使う為政者がいる。唯一の戦争被爆国の日本も核の傘に入り、核兵器廃止条約のオブサーバー参加も見送る現実がある。石破総理は就任直前に、アメリカのシンクタンクに「アジア版NATO創設の上で核の共有や持ち込みを検討すべき」と寄稿している。〝核タブー〟とはよく言ったものだ。
 
 各国に事情と思惑があり、国防や外交は理想だけでは語れないことは理解している。それでも、世界平和、核なき世界は、あきらめてはならない理想である。8月が来るたびに、広島と長島を思い返す。その次があってはならない。
 
(R)

      10月15日の記事

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