断定できず 警戒呼び掛ける
新宮市鴻田3丁目の住宅街付近で26日夕、クマと思われる大型の動物の目撃情報があった。新宮市は防災行政無線を使って、警戒を呼び掛けた。
午後5時9分ごろ、近隣住民から警察に目撃の通報があった。黒い毛むくじゃらの動物が通り過ぎるのを見かけたとのことだが、動物の顔までは確認できておらず、クマとは断定しきれない。目撃したのは男子高校生で、1.7メートルほどの大きさで3~5メートルほど離れたところを駆け抜けていったという。
通報を受け、警察はパトカーで近隣を回り、スピーカーで注意を呼び掛けた。市は警察からの連絡を得て、県の新宮保健所・警察と共に付近の見回りを行ったが、動物は確認できなかった。
和歌山県はクマから身を守るための行動として、まず出会わないためにクマのフンや足跡などの痕跡を見つけたらその先には行かず引き返し、悪天候時や夕暮れ時の視認しにくい時には特に注意するよう伝えている。また、クマに出会った時には、慌てて逃げるようなことはせず、クマをじっと見ながら背中を見せないようにゆっくりと離れるようにする。クマを驚かすような動作はかえって危険という。
人里周辺へのクマの出没を防ぐためには、生ごみや不要になった農作物を放置しないよう管理を徹底し、家屋周辺にクマが潜みやすいやぶ、草むらなどがある場合は適切に刈り払い見通しをよくするなどの対策ができる。
市は見回りを続けると共に、保健所と共に今後の対策を協議するという。