まだまだ盛夏を感じさせるような暑さが続いているが、紀南地方では三輪崎や勝浦、下里などを皮切りに秋祭りシーズンが始まり、少しだけ秋の訪れを感じさせてくれる。先日、約20年ぶりに宇久井神社の例大祭に行ってきた。当時は獅子舞の子役の練習などをよく取材させてもらっていたため、大変思い入れのある祭り。あの頃を思い出しながら、神輿と一緒に地区内を回った。
見慣れた顔ぶれもあったが、ほとんどは知らない人ばかり。そんな中、20年経ってだいぶ老けたであろう私をすぐに分かってくれた人もいて、とてもうれしかった。当時の祭りの中心となっていた人は祖父になり、子役を努めていた子は親になり、その子どもが今度は子役を演じる。連綿と継承される伝統と文化のほんの一端を体感したような気がした。
さて、来月はいよいよ紀南地方最大の秋祭りとしても知られる熊野速玉大社の例大祭である。祭りのハイライトである早船競漕の練習も始まり、機運も徐々に高まってきている。今年ももちろん見学に行く予定。今から楽しみにしている。
【織】