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檜扇開帳 福呼び込む 熊野速玉大社「扇立祭」 サックス演奏も大盛況

 新宮市の熊野速玉大社は14日、「扇立祭」を斎行(さいこう)した。本殿と各社殿に国宝檜扇の写しを開帳し、身体健康や五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。扇立祭奉賛会による神賑行事では、台湾出身のサックス奏者ルビー(Ruby)さんによる奉納演奏があり、日本の演歌を奏でて参拝客らを楽しませた。
 
 神事は午後5時30分から、上野顯宮司以下神職、扇立祭奉賛会役員をはじめ関係者約40人が参列して行った。上野宮司の祝詞奏上に続き、神職らが檜扇を慎重に開帳。扇を手にした巫女(みこ)2人が神楽を優雅に奉納したあと、参列者が順に玉串をささげた。参拝客らは各社殿に開帳された檜扇を眺め、彩色、金箔、銀箔が施されたそれぞれの檜扇を写真に収めていた。
 
 ルビーさんのサックス演奏は神事終了後、本殿で実施。「雨の慕情」「銀座の恋の物語」「ブルーライトヨコハマ」など計7曲を演奏した。迫力の音色が響き渡る中、参拝客らはなじみのある日本の演歌を口ずさみながら楽しい時間を過ごしていた。
 
 上野宮司は神事終了後、「心配された雨は降らず、清々しい日を迎えることができ、湿気を避けながら保管していた檜扇を本日無事に開帳できた。この地方に福を呼び、疫病を退散させるような神事ができて大変よかった。扇の風により、世界平和も願いたい」と語った。また、ルビーさんの演奏については「浴衣姿でのサックス演奏は素晴らしく、われわれも聞いていて感動した」とたたえた。
 
 境内の神門横では扇立祭奉賛会による小学生以下限定の福引大会もあり、開始前から長蛇の列ができるなど大盛況だった。
 
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