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不連続線「自然界も弱いものは消えていく」

 倒壊の恐れがある危険家屋はさっさと撤去してほしいが、廃業などの理由で趣のある昔の建物が解体され消えていくのは寂しい。尾鷲でも惜しまれながら消えていった建造物がいくつもある。
 
 先手を打って、名建築や個性的な建物を将来の文化財候補として選定し、あらかじめ所有者に伝え、地域の名所として生かす効果的な活用法ができないか。人間が造ったものだから、人間の手で残すことはできる。
 
 こちらは人が関与してない。国指定天然記念物の須賀利大池に自生する絶滅危惧種のハマナツメが激減している。かつて日本最大級と言われていた群落が、数株残るだけと聞き驚いた。
 
 原因はシカの食害と考えられている。天然記念物の地域では、シカを捕獲することはできない。防護網を掛けて対応してきたが効果は薄かったようだ。
 
 地球の長い歴史から考えると、人類を含めて強いものが支配し、弱いものは追いやられ、最悪絶滅する。植生や生態系が侵されても、それは自然の姿ではないかと考えることもできる。複雑な心境だ。
 
(N)

      12月22日の記事

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