少子高齢化・人口減少が進む中、岸田内閣が「異次元の子育て政策」を打ち出すなど、子育て支援施策への注目度が上がっている。全国でも先んじた自治体は兵庫県明石市だろう。
同市は子育て支援が手厚く、10年連続で人口増が続いていることで有名になった。子育て支援には以前までの2倍以上の予算を投入し、高校3年生までの医療費や第2子以降の保育料などを無料にしたり、人員増による手厚い支援で子育て世代を中心に多くの人が移り住んでいる。
泉房穂・前市長は、それまで無駄に使っていたお金をやりくりして必要なところに持ってくるだけで、異次元ではなく当たり前のことを当たり前にやるだけだと語っていた。他の自治体でなかなか進まないのは、お金を減らされたところの関係者から怒られるとやめてしまう首長が多いためだという。嫌われるのを恐れ全員によい顔をしていると政治は動かせないと。
当地方の自治体でも子育て支援を標榜する動きが見られる。実行するなら、動かせる範囲のお金で少しずつではなく、明確な意志とビジョンを持った予算組みをリーダー主導でお願いしたい。
【稜】