尾鷲市中井町の老朽化した建物の「特定空家」としての解体工事が始まった。今にも壊れそうな建物で、住民だけでなく観光客からも対応を求める要望が市に届いていたという。
少子化と過疎化で地域では空き家が増えている。せっかくのマイホームだが、子どもが地域外に働きに出た後、自分が高齢化し、子どもの家で暮らすようになったり、施設に入ったりすると、空き家になる。古い空き家を大規模に改修して使う取り組みや空き家バンクによるあっせんが進んでいるが、今後、空き家が増えることが見込まれている。
家が空き家になっても、利便性のいい場所では借り手が見つかることもあるだろう。人口減少が著しい地方、そして災害リスクの高い場所は敬遠される。新たな利用の見込みがない場合、費用は完全に所有者の負担となる。空き家が存在することで生じる問題が認識されたため、補助制度もできているようだが、やはり負担は大きい。今後、一層社会問題になることは避けられないだろう。
(M)