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紀南抄「どうなる宇宙産業」

 エンジン点火後、すさまじい煙と轟(ごう)音を吐き出し、地上0メートルから希望を推進力に宇宙を目指す。そんなロケットの打ち上げに期待を寄せている人はこの地域でも多い。

 JAXAと三菱重工業が7日、H3ロケットを発射。しかし二段目エンジンが点火せず、約14分後に信号を出して機体を破壊。打ち上げは、失敗に終わった。

 ロケットは空を目がけただまっすぐに飛んで行くが、そこに至るまでの道のりには想像を超える紆余曲折があるようだ。当地方でもスペースワン(株)による串本町からの国内初の民間ロケット打ち上げが決まっているが、当初2021年度中としていた初号機打ち上げは、部品調達の遅れなどで3度にわたる延期。現在は今夏の打ち上げに向け、4月に説明が行われる方針。

 宇宙産業はいまや情報通信を基盤となって支える身近な存在で、当地方でもロケットが打ち上がれば観光や教育など幅広い分野での波及効果が期待される。しかしそれ以上に思うのは、空を見上げる人々の目にはいつの時代も、意味やしがらみを超えた羨望の表情がうかがえることだ。初号機打ち上げと、その成功を待つ。

【稜】

      3月16日の記事

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