学生時代、芸術系の科目の成績はひどいものだった。以前、久しぶりにあった恩師にも「〇〇(名前)は確か、美術得意じゃなかったよな」と言われた。オブラートに包んで言ってくれたが、要するに絵が下手だったことを覚えてくれていたのは何だか複雑な気持ちだった。小学2年生のころ、雑誌の絵画コンクールに応募してまぐれで入賞したのはちょっとした自慢だが、絵を描くのは昔から今も変わらず苦手だ。それだけに絵心のある人を見るとうらやましく思う。
先日、新宮高校美術部の女子生徒が民間主催のコンクールに出展し、全国入賞を果たした。取材の際、作品は展示のため手元になく、スマートフォンで撮影したものを見せてもらったが、決して大げさではなく、その作品が写真に見えた。「フルーツタルト」を立体感にあふれた形で描いた作品で、素人の当方から見ても素晴らしい作品。生徒に聞くと、これまでは平面的な絵画を多く描いたが、今回は3年間の集大成として立体的な表現に挑戦したという。
才能だけではない。努力、何より絵が好きということが一番か。自分は文章と写真で表現することに一層磨きをかけたい。
【F】