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くまの茶房 栗山弘作品展 1月29日まで

素朴なデッサンの世界
「気張らずわかりやすく」

 新宮市在住の栗山弘さん(84)による作品展が29日(土)まで「くまの茶房」で開催されている。栗山さんは毎年正月明けに同所で個展を行っている。普段は油絵を主に扱うが、今年は昔描いた素描(そびょう・デッサン)を主役に据えて出展。素朴な線が絶妙な描写力を際立たせている。

 栗山さんは学生時代、書道を追求していた。会社退職後のストレス発散のため我流で絵を描き始めた。現在は油絵の抽象画を主流にしているが、50~60年前は写生で素描の作品を多く制作。当時に描いた作品を同所で初めて飾っている。

 抽象画がわかりづらいという人に向け「気張らず、堅苦しくない、遊びのように描いた作品を」と、対象物が比較的わかりやすい作品を出展することにした。当時の作品を見て栗山さんは「とても純粋」と評価。さまざまな技術が身につく前の無垢な表現が色濃く出ている。

 絵の魅力は「心がなごんだり、『こんな見方があるのか』などと思える。色のよさもある」としており、絵の見方について「いい感じを受けたらそれでいい。気に入ったら立ち止まる。感じたままに受け止めて、タイトルも見た人が自分でつけてくれたら」と語った。

 「目にとめてくれて、心が安らいだと言ってもらえたらそれが一番うれしい」と栗山さん。鑑賞者に押し付けをしない、「肩ひじを張らない」作品展をつくりあげた。

TEL.0735-21-1761
新宮市井の沢10-7
営業時間/9時~19時
定休日/月曜日、第1・3・5日曜日
 

      1月13日の記事

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