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持続可能な保全へ試行錯誤 熊野古道 次世代への継承さぐる

登録から22年経過
 
 紀伊山地の霊場と参詣道が世界文化遺産に登録されて今月で22年を迎えた。「参詣道」は伊勢神宮や高野山、修験道の聖地である吉野と熊野三山をそれぞれつなぐもので、三重県内を通る「伊勢路」、和歌山県内の「中辺路」「大辺路」、熊野本宮大社と吉野を結ぶ「大峯奥駈道」などいくつかの道がある。

 熊野古道と呼ばれるこれらの道については、掘り起こしにかかわった人や保全団体などが実質的に管理・整備を行っていることが多いが、距離が長く、大雨や台風、イノシシなどの動物の行動により道が荒れるほか、登録から20年余りを経て関係者が死没、高齢化するなどして、人的・資金的に持続可能な管理が難しくなっている。

 三重県では、熊野古道サポーターズクラブの登録者に呼び掛けて、石畳の修復やルート上の清掃などの活動に取り組んでいる。毎年12月には「伊勢路クリーンアップ」と銘打って数か所で作業を行っている。県立熊野古道センターも「道普請体験」として、掃除やルート上の段差を埋めるなどの作業を実施している。

 昨年11月には県の若手職員の発案で、地域の高校生の協力を得て熊野市の松本峠で保全活動が行われた。若者の参加に保全団体の関係者からは「この地域の子どもでも熊野古道に関心のない子どもも多い」として、体験活動を通じて魅力を知ってもらうことで、将来の活動の担い手となることへの期待の声が聞こえた。

 今年策定された「熊野古道アクションプログラム4」では、登録25周年となる2029年度までに「伊勢路全体で持続可能な保全の仕組みが構築されていること」を目標に掲げている。

 和歌山県では、熊野三山を目指すルートのほか高野山の参詣道も含めて「道普請」の取り組みが盛ん。和歌山県世界遺産センターによると、2024年度は1878人、25年度は2005人が参加した。初めは県観光振興課が企業訪問などの際に道普請の案内をしていたが、近年では社会貢献活動や新人研修を目的として、毎年、もしくは年に複数回参加する企業団体が多くを占めるようになっているという。このほか、修学旅行など学校行事として参加する事例もある。田辺市本宮町の市立本宮中学校では例年、地域の人と道普請活動に取り組んでいる。

 一方、土を埋めて歩きやすくする作業では「土置き場からの距離が遠い(おおむね400メートル以上)場所での実施が難しく、実施できていないエリアがある」という。本年度、土を現場近くまで運びつつ古道を歩くウオーキングイベントに取り組む予定。同課の担当者は「何往復もしない代わりに多くの参加者が必要となる。土置き場から遠い場所での道普請ができないか、実験的に実施したい」としている。

 奈良県側の大峯奥駈道についても、関係者の高齢化と資金確保といった課題に対し、県世界遺産室の担当者は「3県とも同じ状況ではないか」との見解を示す一方で「修験者の道なので、修験の関係者から『単に歩きやすくするのは(保全の在り方として)違うのではないか』との声が出ている」と話していた。

      広域

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