「風が吹けば桶屋がもうかる」ということわざがある。一見関係ないようなことも巡り巡ってつながっている。しかし、解説を聞かないと分からない。
日本学術会議の任命拒否問題。学者側からは「憲法で保障された学問の自由の侵害」との批判が上がる。政府は、直接的な侵害には当たらないと批判を一蹴。確かに、任命されなかった研究者の研究が阻害されるわけではない。
しかし、ある一定の考えを持つ人ばかりがメンバーになると、会議の運営が偏る。ある分野の研究が軽んじられることになりかねない。予算配分がなくなれば、研究も自由にできなくなる。すると、その学問分野が廃れてしまう。回りまわって文化にも影響を与える。
憲法23条は「学問の自由は、これを保障する」と定める。5・7・5になっているのは有名な話。「一切の留保がない」とも指摘する研究者もいる。
憲法は戦前の反省を踏まえて作られた。特に国が国民の自由を保障することを定めた項目が重視されている。施行日は5月3日で現在は憲法記念日になっている。公布は1946年の11月3日。ちょうど節目の日。憲法の基本的価値観に思いを馳せてみてはどうか。
(M)