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紀南抄「災害の教訓をどう生かすか」

 2011年9月の紀伊半島大水害から9年が経過する。新宮市は4日午前9時30分から、同市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道熊野川」で「紀伊半島大水害犠牲者追悼献花」を行う。
 
 同町九重で2日、初の災害慰霊祭が行われた。花井(けい)村(現在の熊野市紀和町花井)の医師・湯川為善が建立した石碑や石塔、墓石が散乱した状態で発見された。昨年9月にこれらの石造群を復元。これにより、毎年の行事として慰霊祭を実施していく。
 
 日本各地に、その地が被災場所であることを伝える石碑が点在している。これらは、昔の人が自然の威力に打ちひしがれながらも、後世に二度と同じ思いをさせまいと遺したもの。現代のハザードマップにも通じる教訓を、どう生かせばいいのか。
 
 和歌山大学客員教授の後誠介さんは、「災害碑のメッセージを今と次代に伝えることで、伝え聞いた人の避難行動にも差が生じる」と話す。
 
 九重の災害碑がある場所と紀伊半島大水害で土砂災害が発生した位置は隣り合せだ。先人の警告をどう受け止めるのか。それにより、人的被害を出さない防災が可能となる。       
 
【茂】

      9月 3日の記事

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