夏祭りや花火大会の季節がやってきた。かんかん照りの日が続くと一雨欲しくなるが、イベントの日だけは避けてほしい、と勝手なことを願う。
今夏の皮切りとなる「きほく七夕物語」は、現体制で、と但し書きがつくが、今年で最後になる。雨とコロナ禍での中断からよく復活した。「最後は銚子川で」というのは、関係者の愛着と意地だろう。
銚子川は奇跡の清流と呼ばれ、遠方からも多くの人を呼び込むようになった。一部にマナーの悪い来訪者がいるのも事実だが、優良な観光資源であることに疑いようはない。ただ、昔のように地元の子どもたちの夏の遊び場であるかどうかは、不安がある。
子どものころの楽しい思い出は郷土愛につながり、地域活性化の源泉になる。七夕物語も思い出に基づいた思い入れがあるからこそ銚子川にこだわるのだろう。
銚子川はこれからも地元住民に愛され、紀北町を支える川でなければならない。銚子川との思い出をつくるために、特に地元の子どもたちには足を運んで、光り輝く天の川を見てほしい。
(R)