今年のヤーヤ祭りは強い寒気に負けぬ熱い練りが繰り広げられた。雪の舞う最終日、特に年端も行かぬ子役たちはよく耐えて役目を果たしてくれた。
なぜ祭事に大名行列が含まれているのか、と疑問がわいた。かつて参勤交代の宿場町で大名行列を再現する祭りが目につくが、主要街道から外れた尾鷲に参勤交代が来ていたとは考えにくい。
そもそもヤーヤ祭りは、名前の由来や大弓の儀、勇壮な練りと、武の香りが濃い。江戸時代に町民に祷が渡されるようになってから祭事が発展したとすると、地侍衆の親方を大名に見立てることで、その武威に敬意を表そうとしたのでは、と考えてみる。
もちろん宿場町以外にも大名行列を行っているケースもある。愛知県の篠島では正月祭礼に大名行列などを行っていて、ちなみに御神体は獅子頭だそう。篠島はかつて尾鷲と同じ志摩国だったとすると、何か縁のようなものを感じる。
論拠も薄く、特に実利があるわけでもないが、ああでもない、こうでもないと考えていると、やはり歴史は楽しい。
(R)