尾鷲中の文化祭は、恒例の合唱コンクールがなく、各学年が事前に撮影した動画を上映した。他の取材の関係できちんと見られたのは3年生のものだけだったが、新しい形として興味深い取り組みになっていたと思う。
いわゆる「生の迫力」は、舞台で行う演劇や合唱などにはかなわないかもしれないが、せぎやまホールの舞台という物理的制約がない分、生徒らのやりたいこと、表現したいことを前面に出すことができるのではないか。
一致団結して台本のある劇をやることも価値のあることだが、パロディ仕立てだったとしても自分たちで脚本を考え、時間管理を行い、撮影・編集して発表し、みんなに楽しんでもらうのは映画制作のミニ版と言える。ついでに言うとデジタル素材を撮影し、編集(加工)するのは、今後生徒らが飛び込む社会で生きる技能でもある。
新型コロナウイルス感染症の影響で、やむを得ず今回のような形になった部分もあると思うが、映像上映のよい点は今後の文化祭にも生かしてほしい。市内あるいは近隣に映像のプロがたくさんいる。事前にこつを聞く講座などを開くのも、生徒にとって興味深い学習になるだろう。
(M)