2024年度(令和6年度)新宮警察署協議会第3回定例議会が2月27日、新宮署3階大会議室であった。この日は委員5人が出席し、和歌山県内で増加傾向が続く特殊詐欺被害について、情勢報告を受けるとともに被害防止に向けて、同署幹部と意見交換を行った。
同協議会は、地域住民によって構成され、委員が同署の活動について意見を伝え、よりよい運営を促進していくことを目的に設置。委員は任期2年で、管内の各市町村から最低1人選出され、署の報告に基づいて意見交換を行ったり、住民から寄せられた声を届けたりする。
会議に当たり、中楠志帆会長があいさつ。日夜職務に励んでいる署員に敬意を表するとともに、協議会委員の出席に対し感謝の意を示した。新宮署には、委員からの意見などを生かして、引き続き管内住民の安全と安心のために活動してもらえるよう求めた。
続いて、矢野勝正署長もあいさつ。昨年中の管内の治安情勢について、刑法犯認知件数は176件、前年比11件減とわずかに減少し、刑法犯の検挙率は79%と一定の成果を得ることができたと話した。交通事故について、人身事故は前年比6件増、物損事故は前年比190件と大幅に増加。年末年始には飲酒運転による事故が多発したと報告した。
特殊詐欺やSNS型ロマンス詐欺は昨年中県内全体で、被害総件数259件、被害総額は16億3000万超えで近年類を見ない数となった。管内では昨年中の被害認知が2件、相談件数は192件だった。
矢野署長は「今年に入ってからも毎日のように相談を受理している状況であり、当署としても被害に遭う人が出ないよう、試行錯誤しながら力を入れてきた。その結果、昨年夏ごろから被害に遭う前の相談が非常に多くなり一定の効果があった。今後も被害防止に関する対策を進めていく」と語った。
■幅広い年代で被害
和歌山県警によると、昨年中に県内で発生した特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の被害者の年代を見ると、20代から80代まで幅広い年代で被害が出ている。
一方で、被害を未然に防ぐことができたケースもあり、金融機関窓口やコンビニ店頭など水際で阻止したものは117件、県警の「ちょっと確認電話」で阻止したものが438件だった。
不審な電話やメールなどを受けた場合は、県警の「ちょっと確認電話」(0120-508-878〈これは・わなや〉)に相談するよう呼び掛けている。