那智勝浦町は、阪神・淡路大震災の発生から31年を迎えた17日、同町勝浦の勝浦小学校体育館で「避難所開設訓練」を実施した。和歌山県でマグニチュード8.7の非常に強い揺れを観測し、沿岸に大津波警報が発表、解除され、避難のため地区住民が集まった想定。昨年12月に下里地区で初めて同様の訓練を行って以来2回目となる今回は、勝浦、朝日の両地区から72人が参加し、パーテーションや段ボールベッドの組み立てなどを体験して避難所生活への理解を深めた。
訓練では、隣接する備蓄倉庫から用具を運び込んだり、組み立てに時間がかかっているグループを手伝ったりと、協力し合って作業を進めた。パーテーションは倉庫内に60個、ベッドは12台あったが、30分以内で組み立てを終えた。町総務課防災対策室は、前回の訓練同様、「円滑に進んだ」と総括した。
田中逸雄課長は「(町職員などは)救助にすぐには駆け付けられない。自力で避難生活を送らざるを得ない」と指摘し、協力を最低限にとどめた。また、今回は有事の際に避難所で診察を行う新宮保健所の職員も参加し、避難者が下痢、発熱などの症状を訴えている想定で一連の流れを実演した。
参加した朝日区自主防災組織の小出豊万(とよかず)さん(60)は「パーテーションの配置やベッドの組み立ては、体験しなければ感覚が分からなかった。私は避難場所まで住民ができるだけ早く移動できるよう対応しなければいけないので、避難は最後になると思うが、動き方が分かった」と述べた。
町によると、勝浦小は校舎を含め最大657人の収容を見込んでいるが、町の担当者は「パーテーションを置くので単純計算はできない。少なくなるかもしれない」と補足した。町内は両地区を含め多くの地域が津波浸水区域になっており、町は今後30年以内の発生確率が最大90%とも予測される南海トラフ巨大地震を念頭に、町全体でパーテーション1206個、段ボールベッド558台を確保するなど、町民が避難生活を送ることを見越した備えを進めている。避難所開設訓練も並行して実施する方針で、2月21日(土)には宇久井中学校で実施する予定。
