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福呼び込む縁起物 那智山、節分準備が進む

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社と那智山青岸渡寺で、節分(2月3日)に向けた準備が進んでいる。那智大社は鬼面札2500枚を節分の前日まで、青岸渡寺は祝枡(いわいます)500個ほどを1月末までにそれぞれ作り上げ、福を呼び込む縁起物として祈祷した参拝者などに授与する。14日にはそれぞれ神職と巫女(みこ)、住職らが作業を進めた。

 那智大社では1月上旬から鬼面札作りを始めた。鬼面札の図柄は、丸く囲んだしめ縄の中に赤鬼と青鬼を封じ込めたもの。3代前の篠原四郎元宮司が彫ったホウノキの木版画と、神職が那智の滝から汲み上げた水を使って溶いた墨を用い、縦35センチ、横45センチの画仙紙に刷られている。下部左端には朱色の「那智宮印」が押されている。
 
 このほか、モミノキで作った福升(5号升)も用意されている。枡には、桃太郎が鬼ヶ城へ鬼退治に行った故事にちなんで、鬼が命乞いに桃太郎に献じたといわれる「隠れ蓑(みの)・隠れ笠・打ち出の小槌(こづち)」の三つが描かれている。桃太郎はこの宝物を持ち帰り富み栄え、父母と共に安楽に暮らしたとされ、「富貴」を頂くよう祈念するもの。枡の内には、半升枡のゴロに合わせ「益々繁盛(ますますはんじょう)」の文字。外側には「節分」と書かれ、「那智社印」が押されている。節分までに約350個を用意する。
 
 松井志月主典(しゅてん)は「鬼は災いの象徴とされ、那智大社でも悪い鬼として描かれている。しめ縄で封じて皆さまを災いから守ろうという気持ちで刷っています。節分は節の変わり目。できるだけ悪いものを跳ね除けてもらいたいと思いながら渡したい」と話した。
 
 青岸渡寺では、1年前から枡の準備を開始。現在は仕上げの作業で、これから追い込みの時期を迎えるという。同寺の豆まき用の祝枡は一升枡。熊野産のスギとヒノキを使い、内側側面には、中央に「那智山」の焼き印、その両側に難を滅して福を生む意味を表す「七難即滅」(しちなんそくめつ)と「七福即生」(しちふくそくしょう)の印を押した。外側側面に年号を記して仕上げた。
 
 髙木亮英住職は「今年一年、皆さんがますます躍進することを願って枡づくりに精進しています」と語った。
 

      那智勝浦町

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