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那智谷遺族会が解散 大水害から13回忌終え区切り

公園の維持管理は地元区が後継
 
 2011年9月の紀伊半島大水害の犠牲者の遺族らでつくる那智谷大水害遺族会(岩渕三千生代表)が解散した。昨年13回忌を終えて1つの区切りがついたとして、9月4日の慰霊祭のあとの総会で決めた。井関地区にある記念公園の維持管理や月2回の献花などは、遺族会に代わって井関区と市野々区が引き継いで行う。災害で父と甥(おい)を亡くした岩渕代表は「解散したが背負っているものは変わらない。これからも災害の教訓を後世に伝える活動は個人で続けていく」と話している。

 死者・行方不明者29人を出した那智勝浦町では、犠牲者の慰霊と地域の早期復興などを目的に、災害翌年の1月に遺族会が発足した。毎年災害が発生した9月4日未明に、犠牲者と同じ数のキャンドルを灯(とも)す追悼行事を開催。慰霊碑の献花や記念公園の維持管理・清掃のほか、被害を記録した写真集を発行し、収益の一部を全国の被災地に届ける活動も行ってきた。

 設立当初から節目の13回忌を目標に活動していたこと、会員の高齢化、慰霊祭の参加者の減少、7月に実施したアンケートで解散の意向が多数だったことなどから、会として一定の役割を果たしたとして解散を決めたという。

 岩渕代表は9日、井関区内の集会所を訪れ、井関区の石井康夫区長と市野々区の太田博久区長に会の運営資金を手渡した。資金は写真集の収益金や遺族会への義援金などで、それぞれの区に半分ずつ分配。記念公園の維持管理と献花、那智勝浦町花火大会での追善供養花火の打ち上げ費用などに交代で使用してもらう。

 石井区長は「災害を後世に伝えることはわれわれの使命。遺族会の意志を継ぎ遺族の気持ちを尊重して、できる限りのことをしていきたい」。太田区長は「13年間遺族会が継続してきた事業と資金を引き継ぎ、身の引き締まる思い。責任を持ってやっていきたい」とそれぞれ話した。

 岩渕代表は「遺族会の思いを両区長に快く引き継いでもらえて大変ありがたく、安心している」とコメント。追悼行事と慰霊碑の清掃活動などは、岩渕代表が中心となって有志の協力を得ながら今後も引き続き行っていくという。

      那智勝浦町

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