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国・県・市の連携不足 露呈 王子ヶ浜の環境保全

ボランティア団体声上げる
 
 新宮市の王子ヶ浜(大浜海岸)で環境美化やアカウミガメの保護活動に努める3つの市民団体と、国土交通省、環境省、和歌山県、新宮市による意見交換会(第1回協議会)が10日、市役所で開かれた。補助金の運用などを巡り行政間の連携不足が露呈するとともに、王子ヶ浜の環境保全がボランティア団体へ丸投げ状態となっていることに各市民団体の関係者から厳しい指摘や憤りの声が上がった。
 
 参加した市民団体は、「新宮市王子ヶ浜を守る会」「紀伊半島環境保護推進協議会」「さかさ川をきれいにする会」。紀伊半島環境保護推進協議会の中平敦会長は冒頭、アカウミガメの保護の問題と海岸に漂着するごみや流木の対策に関して、「環境省や国土交通省の法律で国、地方公共団体、事業者、国民、民間の団体等が連携し取り組むようにとうたわれているが、これがまったくなされていない」と述べ、今回の関係者による協議会を立ち上げた経緯を説明した。
 王子ヶ浜を守る会の速水渉会長は「平成20年に設立して以来、王子ヶ浜をきれいにするために一生懸命努力し、必死になって清掃してきた。毎年自然との闘い。アカウミガメの産卵時期には早朝4時から海岸を監視している。そのような努力を市も県も分かっていない。県や市が音頭を取って、守る会が協賛するという形をとらないと、いつまでもボランティアではできない」と訴えた。
 王子ヶ浜の管理は和歌山県だが、吉野熊野国立公園内であることから環境省の管轄分野もあり、さらに熊野川河口部は国土交通省の管理。ボランティア団体と国・県との調整役は市が担う必要がある。環境保全を図る上で問題となる海岸漂着物の撤去に関しては、「海岸漂着物処理推進法」で適切な役割分担と連携の確保などが規定されている。
 この日の協議会では、国・県・市の連携不足により、本来支給されるべき補助金が受けられず、市民団体が自ら機材や燃料などを調達して漂着物処理に対応する一方、那智勝浦町の下里海岸では、平成27年と同30年に環境省からの補助金を使って県が業者に発注し撤去していたことが明らかになった。さらにこの発注方法について市民団体が問題視し、県に説明を求めた。
 各行政機関がこれらの法律への認識が薄く、市民団体からは「勉強不足が甚だしい」。「われわれは税金を使わず、自分たちのお金を使って清掃活動をやってきた。やって当たり前みたいな考え方になっていないか」。「ボランティア団体に対するリスペクト(尊敬)が全くない」などの厳しい指摘が相次いだ。
 このほか、流木がこれほど海岸に漂着する現状を森林組合など林業関係者にも示す必要性の指摘。また、三重県側の御浜町などの海岸の流木は長期間放置され、王子ヶ浜をきれいにしても大雨等によって流れてくる可能性もあることから、首長間で連携を取るよう求める声も出た。
 各行政機関では、この日市民団体から寄せられた意見や要望、疑問点について精査し、再度会議を開くことにしている。

      和歌山県

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