田辺市本宮町の熊野本宮大社の例大祭「本宮祭」が13日、始まった。15日(水)までの3日間で執り行う、主祭神の家津御子大神(けつみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に習う恒例行事。初日は稚児(ちご)が親に肩車されて熊野古道を歩く「湯登神事」(和歌山県無形民俗文化財)などがあり、成長と五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
今回は田辺市のほか県内外から集まった稚児と保護者6組が参加。九鬼家隆宮司は午前9時ごろ、本殿前で行程を説明するとともに「いつも和やかに、にこやかに神事が執り行われている」と語った。稚児は神の依(よ)り代(しろ)とされ、その後、ウマ役の父兄に肩車されながら町内を進んだ。
フランス人のヨラム・ドコックさん(41)=田辺市本宮町=は「息子の身体は重いだろうけど、やってみようと思っていた。面白い日本の文化だ」と話した。ドコックさんは妻と息子の道(たお)さん(4)とともにフランスから移住。3人で自給自足の生活を送っているという。「『ゴコクホウジョウ』をお祈りする。厳しい行程だが、やり切ろうと思う」と決意を示した。三栖拓也さん(39)=白浜町=は、息子の久遠(くおん)さん(3)との思い出を残そうと参加を希望したという。「遠方だけど、神事のことは知っていた。経験ができてありがたい」と汗をしたたらせながら話した。
一行は町内の国道を歩き、約1時間後、湯の峰温泉に到着した。老舗旅館「あづまや」の温泉で湯垢離(ゆごり)をして汗と汚れを落として身を清めた。館内で食事をして休息した後、稚児たちは朱色に金や銀などきらびやかな刺しゅうを施した上着に身を包み、額に「大」と書く儀式を行った。泣き出す稚児の姿も目立った。
午後は湯峯王子で神事があり、九鬼宮司が祝詞を奏上。玉串を奉てんし、八撥(さば)き神事で稚児が太鼓の音に合わせ左・右・左と3回ずつ回った。大日越を渡り、夕方から宮渡神事に臨んだ。
