尾鷲市は4日から、次期「尾鷲市地域公共交通計画」の策定に向けた懇談会を始めた。最初の会場となった向井地区では4人が、バス停の移動や、より利便性の高い公共交通の仕組みの導入などを要望した。
現行の計画が来年3月末に期限を迎えることから、次期計画策定に向け14会場で住民の声を聞く。実際の運行に当たっている三重交通などにも聞き取りを行い、取り入れられる声を計画に反映させたい考え。
市長公室の鳥飼真宏さんが、2006(平成18)年10月に八鬼山線の運行が始まってから次第に路線数が増えてきたこと、尾鷲地区では2023(令和5)年の利用者は1万7571人だったのが25(令和7)年は1万4942人まで減少。一方で、物価高・エネルギー高が進み、年間の経費は約9100万円に上る。経費は年々、高くなっているという。
住民からは「小学校の近くから、バス停まで遠い。(総合病院まで)タクシーを使うと4000円ほどかかる」として、福祉タクシーなどの運行を求める声があったほか、ハローワークから天満までバス停がなく「市場の辺りにあればいい、近くにホテルもあり観光客も使うかもしれない」「JAのところのバス停をもう少しまちの方に寄せられないか」などの声があった。また「駅に行くと、国道沿いの店に行くのに大回りが必要」「帰りの便がなく、結局タクシーを使わなければいけないことがある」など、現行ルートの利便性がよくない点も挙げられた。
濵田一多朗市長公室長はバス停について「皆さんが安全で便利になるように、と思っている。もっといい場所があれば、検討する」と語った。また、ダイヤに合わせて自身の予定を組んでもらうことも必要と述べた。
タクシーのように利用できる仕組みに関しては「既存の業者がある。民間との調整が難しい」と述べ、導入に慎重な構えを見せた。半面、公共ライドシェアなどの仕組みに言及し、検討課題であるとの認識を伝えた。「タクシーへの助成は考えられないか」との声には「その考え方はある」として、交通政策の中で選択肢の一つとの見方を示した。
10月から65歳以上の人などにパスを渡し、運賃を無料化している。現在、約1500人からの申請を受け付けているという。住民からは「三木浦など、市街地から遠い人が、ありがたいと言っていた」とか「少しくらい運賃を支払ってもいいので、便数を増やしてほしい」との声が出ていた。
便数の増加について濵田室長は、利用率が上がることが条件になるとの考えを伝え「車の台数を増やさないといけない。利用者数と予算との兼ね合いになる」と回答した。
懇談会が全て終了したのち、地域公共交通計画策定委員会を開いて内容を審議。来年3月中の策定を目指す。
