「尾鷲で生きる・尾鷲で学ぶ」をテーマに、尾鷲市内の小中学生が一堂に会する「おわせっこ共育フェスティバル」が29日、市民文化会館で開かれた。
市教育委員会の主催で、小学1年生から中学3年生まで、全児童生徒741人を対象に開催。第1部は民謡美楓会の会主で、各校で尾鷲節の指導に当たっている渡辺二三子さんによる尾鷲節の講演と歌唱指導、第2部で尾鷲小5年生による尾鷲節太鼓の発表があり、伝統芸能である『尾鷲節』について学んだ。
尾鷲小5年生約60人は、昨年、総合的な学習の伝統産業や文化で取り組んだ太鼓と人権学習について、代表の児童が発表。太鼓は樹齢数100年の木と牛の皮が使われ命をいただいている楽器であること、加工や乾燥などさまざまな工程を経て作られ一つの太鼓を作るのに5~10年かかること、その音は10キロ以上音が響き、心臓の音に近いので気分が高まることなどを紹介。「かつて太鼓職人は人々から避けられ、差別されていた」とし、「差別は誰も幸せになれない決して許されない、差別をなくしていかなくてはならない」と訴えた。
この後、全員で尾鷲節太鼓を演奏。20年ほど前に当時の小学4年生が水道管で作った締(しめ)太鼓も使い、迫力ある演奏で会場を魅了した。
これに先立つ第一部の講演で、渡辺さんは元歌の『なしょまま節』と『尾鷲節』を披露。
尾鷲節は1615年の大阪夏の陣の戦いで豊臣側について敗れた真田一族が尾鷲に落ちのび、その悲しい思いを歌った『なしょまま節』が始まりとされており、その歴史を紹介した渡辺さんは、観覧席の児童生徒に歌に必要な発声練習や腹式呼吸、ビブラートなどを行い、最後に全員で『尾鷲節』を歌い、先生を含めた800人余の歌声が会場に響き渡った。
講演や発表を聞いた子どもたちからは「尾鷲節の良さを知ることができた。これからも尾鷲節を歌い続けていきたい」「これからも尾鷲の伝統を大切にしていきたい」などの感想が聞かれた。
共育フェスティバルはこれまで11月下旬から12月上旬に開かれ、昨年から市内の全児童生徒が参加したが、コロナ禍以降、インフルエンザの流行が早まったことなどから、今年はこの時期に開いた。
