尾鷲市の紀望通りにある希望ビル1階で、尾鷲市栄町の元教員・川口堅士さんによる熊野古道伊勢路に関する展示が行われている。昨年3月から今年1月にかけて、伊勢路の峠道を歩いた時の写真約100点と、八鬼山荒神堂などの油絵3点を展示している=写真。
昨年3月20日に、約35年ぶりに天狗倉山に上ったのをきっかけに「山歩き熱に火が付いた」といい、順番はバラバラなものの、玉城町から和歌山県新宮市までの伊勢路の峠道を歩いた。道中で古道や気に入った景色をスマートフォンで撮影し、主にサービス判サイズに印刷し、模造紙に貼って飾っている。「記録をまとめておいた方がいいと考えた」ときっかけを説明する。
初めての峠も一人で歩いた。「どこまで行ったら山頂に着くのか分からない。まだかまだかと思いながら歩いた」と話す。計画もおおよそで、予定のルートを最後まで歩くことができずに引き返したことや、帰りの列車に間に合わずに駅で2時間待ったこともあったという。
地すべりでルートが寸断されている御浜町の横垣峠では、道が分からずに「崖のような場所を下りた」と苦笑い。「新しいところを歩くのは不安もあるけど、楽しい。未知(道)との遭遇」と語った。
半年ほど飾っておく予定という。午前9時ごろから午後5時ごろまで、自由に見ることができる。隣の部屋では刻字の作品も展示しており「部屋の中が密にならないよう気を付けて楽しんでほしい」と観覧を呼び掛けている。