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事前に何ができるか みえ地震津波シンポジウム

避難から復興までを考える
 
 みえ防災・減災センターや県などが主催するみえ地震・津波対策の日シンポジウムが11月29日、「巨大地震・津波発生後の避難から復興までを考える」をテーマに県立熊野古道センター交流棟大ホールで開かれた。尾鷲市内を中心に、県内の自主防災団体や防災関係職員ら約100人が来場し、講演やパネルディスカッション、各種のパネル展示などで防災や減災への意識を高めた。
 
 最初に兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科研究科長の室崎益輝教授が基調講演を行い、「阪神・淡路大震災被災地の復興物語」の演題で、発災から25年間で得た教訓を紹介。「災害は常に想定外。前の災害と同じようなことが起きるわけではない。前の災害で学んだ経験や記憶は、必ずしも次に役立つとは限らない。昭和の東南海地震はすごく小さな地震だった。一つの参考にはなるが、われわれの裏をかくように被害が起こることを頭に入れておいてほしい」と前置きした上で、神戸から学んだこととして
  1. 防災から減災へ
  2. 消防防災から危機管理へ
  3. 行政主導から連携協働へ
 ―の3点を挙げ、減災について「災害を完全に抑え込むことはできないので、できることを足しあっていく」、危機管理については「科学的に目標を立ててしっかりやっていく」、連携協働については「行政が住民の命を守っていくのは間違いではないが、コミュニティーにしかできないことはたくさんある」と強調した。
 
 また、国やボランティアに依存する〝持たれあい〟について「頼りすぎると、コロナなどで支援が来ないと途端に困ってしまう。想定されている南海トラフ巨大地震が起きると、尾鷲に広域支援は来てくれない。ボランティアに来てもらうという発想でいるとやれなくなる」と指摘。「事前に何ができるのかを考えることはとても重要」と訴えた。
 
 この後、宮城県の南三陸商工会会長で福興市実行委員長を務める山内正文さんが「東日本大震災発生、ゼロからの出発」の演題で体験談を紹介。休憩をはさんで、山内さん、尾鷲市自主防災会連絡協議会の足立光弘会長、大川太尾鷲小校長、加藤千速市長らが「南海トラフ巨大地震・津波発生後の避難から復興のあり方」について意見を出し合った。パネルディスカッションの内容は後報。
 
 
防災マップで学習成果発表
       市内4小学校
 
 同センター展示棟では、尾鷲、宮ノ上、矢浜、向井の4つの小学校が、防災学習の発表として校区内の防災マップを展示した。本来なら実際に発表するところだが、新型コロナウイルス感染症の影響で展示にとどめた。
 
 このほか、東日本大震災や昭和東南海地震の被災写真、南海トラフ巨大地震津波シミュレーションや過去の防災記録を閲覧できるコーナーなどを設置。玄関近くには県の防災啓発車「まなぶくん」による地震体験もあり、遊びに来ていた親子らも地震の揺れを体験していた。

      尾鷲市

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