太地町の飛鳥神社で21日、地元の子どもたちが手掛けた大絵馬の奉納奉告祭があった。神事を行い、来年の干支(えと)の巳(み、ヘビ)と町のシンボルであるクジラをデザインしたにぎやかな色合いの大絵馬がお披露目となり、みんなで喜んだ。1つは飛鳥神社、もう1つは金刀比羅神社に飾る。
太地町赤十字奉仕団や太地町地域連絡協議会、神社役員などの町内各種団体がつくる、神社を中心としたまちの活性化を目指す団体「過疎地域神社活性化推進委員会」が行っている取り組み。今年で5回目を迎える。子どもたちの郷土愛を育むことを目的としている。
高橋正樹宮司が神事を行った。修祓、祝詞奏上に続いて宮司・参列者が順に玉串拝礼。制作にあたった子どもたちや関係者約20人が手を合わせた。高橋宮司は「皆さんのご協力で立派な絵馬が奉納され、本当にありがたいです。たくさんの大人の人がいろんなお手伝いをしてくれたことを忘れないでください」とあいさつした。
小学3年生だった時の初回から毎回参加している太地中1年生の塩﨑心温(こはる)さんは「上手にできたと思う。太地の子たちが楽しめるような活動をしてくれていて、人を助けるのが好きなので、あこがれる」と話した。
大絵馬制作は今年9月に同神社で実施。大絵馬の図柄は日本画画塾青塔社所属の日本画家・土長けいさんが下書きをし、そこにこども園の園児から中学1年生までの子どもたちが自由に色を付けていった。
赤十字奉仕団の和田千明委員長は「子どもたちが好きな色を使って表現している。力強くて躍動感があり、大人では描けないものになった」と語り、土長さんの指導や関係者の協力に感謝した。
この活動は、十二支の大絵馬がすべてそろうまで続ける方針という。