紀北町長島の紀伊長島郷土資料室で、第18回企画展「きいながしまの仏像・石塔のみかた~指定文化財についての基礎知識~」が開かれている。3月14日(日)まで。
町指定文化財を通して、地域の歴史や文化を知ってもらおうと、紀伊長島地区の12の町指定文化財の仏像や石塔を取り上げた。形態や仏教などについて55点の解説資料を展示した。
このうち長島の西町聖観音像、島原の円通閣聖観音像といった聖観音について、仏教の輪廻転生する6つの世界(六道)のうち、最も過酷である地獄道で人々を救う存在だと説明がある。頭部にある宝冠や宝髻(ほうけい)、背中の光背、手の与願印や説法印、仏が座る蓮華座など、仏像の部分について紹介している。
大原の大昌寺の大原不動明王像については、背中に燃え盛る「火炎光」、悪魔や煩悩をくじく宝剣、不動明王特有の上に向く右牙と下に向く左牙の「牙上下出(がじょうげしゅつ)」などを説明している。
このほか、下河内観音石仏、片上一理塚石仏碑、道瀬五輪塔群、奥村墳墓、江竜庚申碑、養海院庚申碑、長島城跡の五輪供養塔、助休庵石地蔵、地蔵院庚申碑を紹介している。
浅原俊昭主事は「町の文化財を知ってもらい、より親しみをもってもらうきっかけになれば」と呼び掛けている。
開場時間は午前9時から午後5時まで。月曜日と祝日は休館。