三重県警紀宝署は17日、同町神内の紀宝はぐくみの森に機能を緊急移転する訓練を実施した。同所は有事の際の代替庁舎に指定されており、警察業務を再開するまでの一連の行動を確認した。
7メートルの津波が約30分で町沿岸に到達すると予想された想定で、署からはぐくみの森までの約1キロを数分で移動。施設内では無線機材を運び込んだほか、署長・副署長席、捜査班ブースなどを設置。パーテーションを置き、被災者の相談に応じるブースも設けた。目標通り約5分で一連の作業を完了。町役場に待機する署員との無線通話の試験も行い、互いの声が無事聞き取れた。
署が被災して機能が停止した場合、はぐくみの森を仮庁舎として運用し、遺体の身元確認や空き巣の取り締まりを行う拠点とする方針が取られている。谷口僚署長は講評で「訓練なくして安全はない。事前に対応を整理する目的で実施した。おおむね計画通り進み、成果が得られた」と総括した。
署は人事異動のある来年度以降も、引き続き異なる想定で訓練を実施する方向だという。谷口署長は報道陣の取材に、「実際に起きた場合は渋滞が発生するなど、道路状況が混乱して今回のようにいかないはずだ。携帯電話が通じないことも予想される。年度によって訓練経験のない署員がいないよう、繰り返し行いたい」と述べた。
■協議会も開催
訓練に先立ち、紀宝署で2025(令和7)年度第3回警察協議会を開き、4月から16歳以上による自転車の交通違反に反則通告(青切符)を導入することなどを確認した。
遮断している踏切への立ち入り、携帯電話を使用しながら運転するといった重大な事故につながるおそれが高い違反が青切符の対象となり、制度改正に伴い16歳の高校生も取り締まりの対象となる可能性がある。谷口署長は「直ちに違反扱いにするのではなく、まず指導、警告を行う。ルールを守ってもらうことが優先だ」と理解を求めた。自転車用の傘スタンドを使用しながら運転することに関し、担当者は「三重県では違反になる。公安委員会によって規定が違うので、周知したい」と述べた。
紀宝署管内で昨年中、7件の詐欺被害が発生し、被害総額は約830万円だったと報告があった。架空請求がうち4件と最も多く約242万円の被害があり、在宅勤務で報酬を得られると誘い、その情報の対価を払うよう要求し、約50万~約100万円をだまし取られた事例が複数あった。同署はATMのあるコンビニエンスストアに対し、利用者に積極的に声を掛けるよう求めている。
