三重県立紀南高校と同校学校運営協議会が主催する「第7回きなん小中学生俳句コンクール」の入賞者のうち、最上位の「紀南高等学校長賞」受賞者などへの表彰が26日、紀宝町立矢渕中学校であった。
同コンクールは、コミュニティ・スクールの取り組みの一環として実施。地域の児童生徒が俳句づくりを通して言葉を磨き、表現力を高め、豊かな感性を育む機会を提供することと、同校生徒がコンクールの運営に携わることで学びにつなげることを目的にしている。
今回は、昨年7月~9月の応募期間に南牟婁郡と熊野市にある小学校、中学校から合わせて886句(小学生の部316句、中学生の部570句)の応募があった。選者は御浜町俳句会が務め、入賞作品20点(小中学生の部各10点)を決定し、生徒会特別賞については同校生徒会が選んだ。
矢渕中では、紀南高等学校長賞の疋嶋美拓さん(3年)と紀宝町ウミガメ公園賞の奥西優奈さん(3年)、優秀賞と奨励賞の松田風翔さん(3年)、生徒会特別賞の三石琴葉さん(3年)を表彰。紀南高校の辻孝明校長は疋嶋さんの俳句について「鮮明にその瞬間が頭に思い浮かぶ一句で、17文字に五感全てが伝わってくるような素晴らしい句だと思いました」と伝えた。
疋嶋さんは、夏に妹とトマトを丸かじりするのが恒例で、2人ともトマトが好きでその風景を書いてみようと思い「かぶりつく 笑顔な姉妹 赤トマト」と詠んだ。受賞について「選ばれるとは思っていなかった。自分の感情そのままに表したので賞をいただけてとてもうれしかった」と笑顔で振り返った。
入賞作品は、道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で一定期間展示される。
■小学生の部
【紀南高等学校長賞】
▷「ときょうそうむねがたかなる五びょうまえ」
杉谷 龍人(飛鳥小6)
【御浜町俳句会賞】
▷「やさしかった祖父に会いたい彼岸花」
前迫 怜愛(御浜小5)
【紀宝町ウミガメ公園賞】
▷「心臓にドドンとひびく大花火」
仲 蕾諒(五郷小6)
【優秀賞】
▷「いねかりを見守っている赤とんぼ」
鬼海 駿(成川小3)
▷「夏夜空落ちてきそうな星の数」
奥西 歩華(鵜殿小6)
【佳作】
▷「ひがんばなかっとばしたぞホームラン」
寺前 陽翔(御浜小5)
▷「千枚田水面にうつる夕日かな」
大地 真椿(尾呂志学園小5)
▷「あみどから赤ちゃんかまきりのぞいてる」
福山 結子(鵜殿小4)
【生徒会特別賞】
▷「また明日駆けてく背中彼岸花」
山本 萌桃(御浜小5)
▷「彼岸花あの日を思う祖父の顔」
竹平 奏登(御浜小5)
■中学生の部
【紀南高等学校長賞】
▷「かぶりつく笑顔な姉妹赤トマト」
疋嶋 美拓(矢渕中3)
【御浜町俳句会賞】
▷「渾身の最後の一球終わる夏」
山本圭凪太(有馬中2)
【紀宝町ウミガメ公園賞】
▷「台風の進路決まらぬ長旅よ」
奥西 優奈(矢渕中3)
【優秀賞】
▷「夏休みいつのまにやら背が伸びた」
大江 一颯(有馬中2)
▷「校門にもみじの通路のびてゆく」
松田 風翔(矢渕中3)
【佳作】
▷「炎天下ボール追いかけ土まみれ」
濵本 琉愛(有馬中2)
▷「夏休み部活終わりの川遊び」
桒木 美彩(御浜中1)
▷「夜の庭かすかに光る草蛍」
高田 碧(尾呂志学園中3)
【生徒会特別賞】
▷「みつめてる九月一日カレンダー」
塩見 優莉(御浜中3)
▷「サイダーを炎陽の下一気飲み」
三石 琴葉(矢渕中3)