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南海トラフ地震臨時情報発表 発生可能性 相対的に高まっている

1週間程度注意を
 
 8日午後4時43分ごろ、日向灘の北緯31度44分、東経131度43分を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生した。南海トラフ地震の想定震源域で発生したもので、気象庁は南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を臨時に開催。「南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられる」として、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表した。「今後の政府や自治体などからの呼び掛けなどに応じた防災対応をとってください」と呼び掛けている。当面、注意が必要な期間は1週間程度とされている。

 震源の深さは31キロ。宮崎県日南市で最大震度6弱、宮崎市や都城市、鹿児島県大崎町で震度5強を観測したほか、沖縄県から愛知県までの範囲で震度5弱から1の揺れを観測した。

 南海トラフを震源とする大規模地震の発生が懸念されており、想定震源域で一定規模の地震が発生した場合などに、南海トラフ地震との関連性を調査し、結果を公表することになっている。現行制度は令和元年5月から運用されている。

 気象庁によると、日向灘では地震活動が活発な状態が続いており、ひずみ観測点ではこの地震に伴うステップ状の変化が観測されているという。また、今回の地震は、南海トラフ地震の想定震源域内における陸のプレートとフィリピン海プレートの境界の一部がずれ動いたことにより発生したモーメントマグニチュード(Mw)7.0の地震と評価した。

 世界各地の大規模地震の統計データ(1904年~2014年)では、7.0以上の地震が発生した同じ領域でMw8クラス以上の地震が7日以内に発生する頻度は数百回に1回程度あり、検討会は「大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられる」と結論付けた。一方で気象庁は「特定の期間中に大規模地震が必ず発生するということをお知らせしているわけではない」と説明している。

 南海トラフ地震には多様性があり、大規模地震が発生した場合の震源域は、今回の地震の周辺にとどまる場合もあれば、駿河湾から日向灘沖までの南海トラフ全域におよぶこともある。最大規模の地震が発生した場合、関東地方から九州地方にかけての広い範囲で強い揺れがあり、関東地方から沖縄地方にかけての太平洋沿岸で高い津波が想定されている。

 気象庁は、引き続き注意深く南海トラフ沿いの地殻活動の推移を監視するとしている。

持ち出し品や避難路の確認を

 尾鷲市は巨大地震注意の臨時情報の発表を受け防災行政無線で「飲料水・食料の備蓄、家具の固定など、地震への備えを再度確認するとともに、今後1週間程度は十分注意してください」と呼び掛けた。市防災センターでは防災危機管理課の職員が、市民などからの問い合わせにあわただしく対応していた。1週間程度、職員2人が交代で当直を行い、非常事態に備える。防災行政無線での注意喚起を定期的に行うことにしている。

 加藤千速市長は「市民の皆さまにおかれましては、普段の生活を維持しながら飲料水、食料の備蓄、家具の固定や避難路・避難場所の確認など、地震・津波への備えを今一度再確認し、今後1週間程度は、十分に注意いただきますよう、お願いいたします」とするコメントを発表した。

 紀北町も防災無線とLINE、防災ナビなど注意喚起を行っている。
 
内閣府防災情報のページ
「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」
(https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/rinji/index.html)

【関連記事】
https://digital.taiheiyo-np.jp/mie/index/55339
 

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