新宮市下田在住の画家・植野史煌さんと孫の平野菜つさん(熊野川中2年)による二人展「史煌・菜つ作品展」が28日、同市下本町の丹鶴ホールで始まった。史煌さんが版画と油彩画、菜つさんが写真を展示する。
史煌さんは広島県生まれ。6歳の頃から趣味で絵画を始め、版画、油彩画の制作に取り組んできた。近隣に美術大がなかったため、地元の音楽大を卒業後、本格的に活動を開始したという。抽象画からリアリズムまでさまざまなスタイルで描いたスペイン出身の画家パブロ・ピカソの影響を受けた作品が多いが、幻想的な独自のスタイルを数十年におよぶ制作経験を通じ確立した。
所属する新展美術協会で内閣総理大臣賞を2度受賞するなど実力は折り紙付きで、今回の展示作品20点は全て初公開。口に手を当てて目を見開いた表情を描写した「アレレ?の顔」、フクロウの一種であるインドオオコノハズクを写実的に描いた版画「夕の歌」など表現の幅は自由自在だ。「図鑑が好きなので、鳥やネコをよく描いている。楽しそうに遊んでいる感じを表現したかった」。2023年5月、孫家族に誘われ、新宮市に表現の場を移してからは、改めて周囲の動植物に感性を触発されたようだ。「絵は自分の魂だ。魂を映し出している」と力強く語る。
菜つさんは幼少期からカメラに触れ、絵の具で塗ったような色彩豊かな作品が専門家の目に留まり、市観光フォトコンなど数々のコンクールで入賞を果たした。祖母譲りの豊かな感性を頼りに、何気ない日常の一瞬にシャッターボタンを押した結果、史煌さんをして「構図の取り方が上手い」と言わしめた。題名も鑑賞者の想像を上回るものが多く、昨年、市と姉妹都市提携を結ぶ米国・サンタクルーズ市を交換留学で訪れた際に洋上でカモメの群れを撮った一枚には、「生命の鼓動」と名付けた。
ホール内を祖母と孫娘の世界一色に変える初の二人展は、2月1日(日)まで開かれている。開場時間は午前9時~午後9時。展示会に際し、史煌さんが木版画の制作方法を教えるワークショップが31日(土)、1日の2日間にわたって予定される(無料)。会場は同ホール会議室で、時間は両日ともに午後2時~午後4時。受講を希望する場合は2日間とも出席が必要。申し込み、問い合わせは同ホール(電話0735-29-7223)まで。
