紀宝署は10月29日、災害時の代替施設になる「紀宝はぐくみの森」(紀宝町神内)で災害警備本部設置訓練を実施した。
同署は海抜4.6メートルで津波浸水区域にある。地震発生から数分で津波が到達し、最大11メートルの波高だと、署の2階天井部分まで浸水する想定。昨年12月、大規模災害時に警察庁舎が使用不能となった場合、署から1.5キロほど離れたはぐくみの森を使用できるよう、紀宝町と覚書を締結した。今年2月と9月に機能移転の訓練を実施している。
今回は夜間の当直体制時に発災し、署長が不在と想定。限られた人員で、署内と防災倉庫のある官舎の2拠点から同時に移転先のはぐくみの森を目指した。署内で勤務中だった署員は機能移転に必要な最低限の備品を入れた箱を持ち、玄関を施錠したうえで出発。一方、官舎にいた署員は防災倉庫からエンジンカッターやチェーンソー、毛布などの装備品を車に積み込んだ。はぐくみの森に到着後、2階のフロアに、統括情報班、地域交通対策班、捜査班、警務支援班、地図台などの机や、情報を集約するホワイトボードを並べ、無線で県警本部、紀宝町と交信した。
新たな課題も見つかる
過去2回の日中の訓練で手順は確認できていたが、松田新吾署長から、今回は夜間でさまざまな想定外が発生することも念頭に訓練に臨むよう指示があり、署員は声を掛け合い一つ一つの作業の進捗(しんちょく)を確認しながら進めていた。その中で、昼間の訓練ではすぐに交信できた無線のつながりが悪く、昼夜の違いや気象条件によりアンテナの感度が変化するという新たな課題が生まれた。
訓練終了後、松田署長が講評。おおむねスムーズに進んだとしながら、見つかった課題については、ほかの方法も模索しながら改善に向けて取り組むよう伝え、細部は訓練を重ねることで精度を高めていくよう求めた。
