分からないことがあると、すぐにスマートフォンで調べる。特に若者はその速さに驚かされる。検索サイトだけでなく、動画やSNS、生成AIなど、目的に応じてさまざまなツールを使い分け、こちらが調べ方を考えている間に答えにたどり着いていることもある。
すぐに知ることができる一方で、それを覚えることはまた別だろう。いつでも調べられると思えば、頭にとどめておく必要もない。電話番号をいくつも暗記していた時代と、連絡先に登録しておけば済む今との違いにも似ている。
振り返れば、学校では知ることより覚えることが優先だった。テストに出るから必死で覚えなければならない。その先にある面白さまで考える余裕はなかった。大人になってからは知ることの楽しさが分かった。同じ歴史でも、試験のために覚えていたころとはまるで違ってみえる。
ようやく知ることが楽しくなったというのに、今度は年齢とともに覚えておくことが難しくなった。昨日「なるほど」と感心して得た知識も、今日になると忘れている。結局またスマホで調べるのである。
【織】
