新宮市の世界遺産・熊野速玉大社で5日、新年に向け境内に飾る来年の干支(えと)「丁未(ひのとひつじ)」の大絵馬が完成した。ヒツジの親子や初日の瑞光(ずいこう)などが描かれ、上野顯宮司が最後に「蘇魂(そこん)」と書き添えて仕上げた。
大絵馬はヒノキ製で、縦約1.5メートル、横約2.1メートル。上野宮司が毎年の干支を描いている。絵柄には必ず同大社のご神木である梛(なぎ)をあしらい、願いを込めた文字を揮毫(きごう)している。
今年は、父親と3匹の子どものヒツジを描いた。群れで暮らすヒツジに協調や平和への願いを重ね、父親の羊には梛の葉を掲げさせた。上野宮司は「ほのぼのとした感じを大事にしながら、祈りという厳粛な凛とした姿を表現した」と説明。3匹の子ヒツジは「お姉さん、妹、そして男の子」をイメージし、愛らしい表情に仕上げた。
背景には、新年の幕開けを象徴する瑞光を大きく描いた。梛には金色の実を付け、平和や絆に加え、物事が実を結ぶ結実や成就への願いも表した。
最後に揮毫した「蘇魂」には、魂や心の蘇りの意味を込めた。上野宮司は「本来、一人一人が素晴らしい魂を持っている。どんなことがあっても希望の年になってほしい」と話し、戦争や災害などが続く世界情勢に触れ、「何事もないということが実は非常に大事。世の中が穏やかで平和であるように」と願いを語った。
今年は6月ごろから構想を練り始め、8月中にほぼ完成。画材にはアクリル絵の具を使い、ヒツジの毛並みや目など細部に手直しを重ね、この日、文字を書き入れて完成となった。12月1日ごろに拝殿へ掛け替える予定。また、同じ図柄で4分の1ほどの絵馬も制作しており、こちらはJR新宮駅に寄贈する。
