「大人のための地学教室」が12日、尾鷲市立中央公民館で開かれ、観光関係者ら18人が、おわせ学び工房代表で市文化財調査委員の二村直司さんから、尾鷲を形作っている地質について講義を受けた。ガイドやツアーの企画に生かしていきたいという。
地域おこし協力隊の李家泓さんが昨年、子ども向けの自然講座を企画する中で、「なぜ天狗倉山のてっぺんに大きな岩があるのか」「たくさん雨が降るのに災害が少ないのはなぜか」と疑問をもったことがきっかけ。観光関係者を中心に声掛けし、大人向けの講座を開くことにした。
二村さんは、地質からいろいろなことが読み解けると解説。尾鷲市街地については「2万年くらい前から堆積してできたところに住んでいる」と説明した。
地質については「(地球の誕生から今まで)46億年という時間スケールがある」と話し、「ゆっくり冷えて固まった火成岩と言う時、ゆっくりとはどのくらいだろうか」と問い掛け、日常の感覚と大きく違うことを紹介した。
紀伊半島のうち中央構造線より南側は、海洋プレートが陸のプレートに沈み込む時に、海洋プレートに乗っていたやわらかい地層が陸にくっついた「付加体」、くぼんだ場所に土が堆積した場所である「前弧海盆堆積体」と、「火成岩体」が主な構造と説明した。
付加体は1億年から2000万年ほど前のもので、1800万年から1500万年くらい前に前弧海盆堆積体ができたという。その後、1400万年前ごろにかけ、火山活動で前弧海盆堆積体の地層を突き破ってマグマが吹き出し、円弧状に噴火が起こったことで中心部分が約700メートルから1000メートル陥没。その後、地盤が隆起して現在の地形になった。
オハイの景観について、二村さんは「火成岩体でなければ、オハイブルーにはなっていない」と述べ、海底に白い土があり、光の吸収と反射で青く見えていることを解説。三木里海岸の白い砂浜も、白い成分を含んだ地質が上流部にあるため、と語った。このほか、主な場所の地質構造などを紹介。「海岸地形を体系立てて見学できれば面白い」と話した。
学習会は今後、月1回ほどのペースで続けていく予定。グループによると、受講生は募集しないという。
