一般財団法人熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)が運営する「熊野川川舟下り」の今シーズン定期乗合便の運航は3月1日に始まったが、水量不足や増水により発着点の変更に追われるなど、慌ただしい1か月だった。また、「瀞峡(どろきょう)めぐり」は北山川の渇水により初日から欠航が続いており、4月1日現在で運航開始のめどは立っていないという。
川舟下りは、同市熊野川町田長(たなご)の道の駅「瀞峡街道熊野川」下の川原から、速玉大社付近の権現川原までの約16キロを90分ほどで下って川の参詣道をたどるもので、2005年度に始まった。瀞峡めぐりは、北山川の玉置口~上瀞間の往復約9・4キロを40分ほどで周遊し、国指定特別名勝である瀞峡の魅力を川舟の上から堪能するもので、2022年度に始まった。
熊野川川舟センターによると、川舟下りの3月中の乗船客は552人(うち外国人客357人)。前年同期に比べ約160人増えており、人気の高い体験型観光だ。
今年は1月、2月にほとんど雨が降らず、熊野川、北山川ともに例年以上の渇水で、上流のダムの貯水量にも余裕がなく放流が見込めないため、欠航や出発点変更で対応している。5年目を迎える瀞峡めぐりで、3月中に一度も運航できなかったのは初めてで、今季の渇水が異常だったことがうかがえる。
川舟下りは3月中、田長から車で5分ほど下った小鹿地内の河川敷から出発した日が大半で、乗船客は道の駅から送迎車で移動した。センター職員は「お客さまに状況を説明すると、皆さん理解してくれるのでありがたい」と話す。一方で、「自然相手なので渇水問題はどうしようもないが、これから雨の多い季節になるので安定した水量になってくれるのを願う」と思いを寄せる。
ここ数日の雨で水量が上がり、4月2日の運航は田長の河川敷から出発した。乗船客らは記念写真を撮ったあと早速2隻の舟に分かれて乗り、出発した。4月~5月の予約状況は、ゴールデンウイークを中心に好調で、平日でもすでに満席の日もあるという。
