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観光産業で地域おこし考える 三重大と古道商工会がセミナー

じっくり楽しめるエリアに
 
 観光産業による地域おこしを考えるセミナーが5日、みえ熊野古道商工会本所と御浜支所で開かれ、三重県や紀北町、御浜町の観光の現状と課題、展望について説明があった。

 三重県の社会人の学び直し(リカレント)を産官学金連携で推進する「リカレント教育プラットフォームみえ」と、みえ熊野古道商工会によるセミナーで「地域を動かすリカレントの力 観光産業で地域おこし」をテーマに、紀北町の本所と御浜支所をオンラインでつないで行った。

 県の中川千也観光振興課長が県全体の観光の課題について、伊勢神宮の20年に一度の式年遷宮に影響を受けている観光需要の増減、低調な首都圏からの宿泊来訪、平均宿泊日数と外国人の宿泊者の割合が全国平均以下であることを紹介し、「一過性の需要に依存しない、式年遷宮のビッグチャンスをしっかりととらえ、保っていける観光地づくりが必要」と述べた。

 質が高く持続可能な観光地づくりを目指す上で重要な要素として、熊野古道馬越峠を歩いて旬の魚や紀州備長炭の炭火焼き料理を味わったり、太平洋や丸山千枚田の眺望、熊野信仰など具体的な観光資源に触れ「昨年からコンテンツの磨き上げプラン造成の支援を進めていて、より長くじっくりと楽しめる観光地として届けられれば。これからは地域をつなぎ合わせてストーリー性を持たせて周遊観光につなげたい」と語った。
 

紀北 古道、美食、伝統産業
御浜 観光で暮らし守る

 紀北町の観光では、岩見建志商工観光課長が観光客や外国人宿泊者数もコロナ禍から回復傾向にあるとする一方、夏の銚子川のオーバーツーリズムにも触れた。町への来訪者のアンケート結果も提示し、宿泊者は来訪者の16%で、興味のある内容は熊野古道が最も高く、道の駅紀伊長島マンボウと伊勢エビも3割を超えていることから、「世界遺産のブランド力は大きく、地場産品とイベントへの評価も低くない」と述べた。

 観光施策の今後の展開について、重点テーマにガストロノミー(美食学)、熊野古道伊勢路、伝統産業からの学びを上げ、持続可能な観光地へ観光客の分散化とDXの活用が必要だと述べた。

 御浜町の林健太郎企画課長は「人口減少による地域の消費縮小は避けられない事実であり課題。主産業のミカン栽培をはじめ、観光などを強化して町外から経済的な流れを呼び込み、地域の中でそのお金を循環することが急務」「御浜町に訪れる人が増えれば地元の事業者の大きな支えになり、住民の暮らしを守ることにつながる」と述べ、町と商工会、ツーリズムみはまの3者連携による商工観光分野の施策推進のための体制を紹介した。

 地域消費や宿泊、入り込み客数などの動向をまとめたデータと、それに基づいた政策評価も説明し、令和12年度までの地域消費額の維持を最重要視していおり、データとして現時点では順調に推移していると述べた。

 藤村達司会長は「この地域を発展させてきた一次産業のけん引力も低下しており、観光が新たなけん引力の一つにならないか、という思いがある。地域全体で観光を考える機会の中で、一つずつアイデアやヒントを得ながら、観光を生業として活動していける事業者が増え、その蓄積が地域のけん引力となるところまで育て上げていきたい」とあいさつした。

 リカレント教育プラットフォームみえ代表で三重大学の湯浅陽子副学長(教育担当理事)はオンラインであいさつし、「紀北町と御浜町は豊かな自然と歴史に恵まれた地域だが、地域や観光を取り巻く状況は大きく変化する中、リカレントが地域の課題の克する力を育んで支える。このセミナーを通じて地域の未来につながるアイデアを共有したい」と述べた。

      12月16日の記事

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