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不連続線「本を抱えての帰り道」

 日曜日や祝日のイベントの取材を終えた後、そのままカメラとノートをしまいこんで客になることは間々ある。参加者としての実体験は記事にも生きるはず、というのは建前で、イベントの背景や主催者の思いを知っていると、このまま帰るのは惜しいような、後ろ髪を引かれる思いがする。
 
 よいイベントは多いが、中でも本好きとして熊野古道一箱古本市はたまらない。基本的に値段が安いので思い切って買い込める、だから思いもしない名作に出会うこともある。なんなら取材の時点でお目当ての本に目をつけながら、値段を気にせず、店主のすすめも受けながら買い漁っていくことになる。
 
 古本市後の交流会では、地域についての思いやアイデアが語られ、会員制のワーキングスペースなど参考になる意見もあった。
 
 取材を終えて、本を抱えながら家に向かう途中になんとなく振り返ると、夕日に照らされた道に長い影が伸びていた。ふと、子どものころ、友達の家からの帰り道を思い出した。要はさびしいのだろう。
 
(R)

      11月20日の記事

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