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社説「"即戦力"の働きに注目」

 新宮市で16年ぶりに誕生した新たな市長は上田勝之氏に決まった。当初は現職が5選を目指すとの見方もされていたが、6月に健康上の理由で断念することを表明。情勢変化を受け、選挙戦の構図が固まったのは2人が正式に立候補を表明した8月だった。上田氏は通算21年間の市議の経験があり、知名度で勝ると見られていた。一方、野中氏は新宮商工会議所青年部会長などを務めたものの政治経験はなく知名度も未知数で、短期決戦でどこまで応戦できるか注目を集めた。

 人口減少や少子高齢化への対応、地域活性化への取り組みを主な争点に、前哨戦から選挙戦を通して、上田氏は「即戦力」、野中氏は「若さ」をそれぞれ強調しながら、公約の浸透と支持拡大を図った。結果だけを見れば、2人の得票差は208票で、まれに見る大激戦だった。
 
 選挙戦を振り返ると、盛り上がりに欠けたと言える。それは投票率を見ると分かる。2005年(平成17年)に合併して新市誕生後に行われた市長選で最も低い63.13%。3人が争った4年前の前回より8.06ポイントも下がった。
 
 市長選3度目の挑戦で念願の初当選を果たした上田氏だが、半数近くは相手候補への投票で、投票行動を取らなかった人も含めると、多くの市民の信任を得たとは言えない。順風満帆の船出とはいかないが、そこは"即戦力"の働きを見せて、市民の信任を勝ち取ってもらいたい。
 
 掲げた公約のうち、緊急物価高対策やごみ袋の半減といった生活支援、子育て支援はできる限り早く取り組む考えを示している。その他の公約についても、年次計画を立て、実施のめどを示す形で進めるのが市民にとって分かりやすいだろう。議員経験が長く、当局と議会の両輪で市政を進めることについては問題ないはず。16年続いた田岡市政の良い部分は継承し、変えるべきものは変えると明言しており、そのためにもまずは職員に対し、自身の考えや目指すべき方向を指し示す必要がある。
 
 また、周辺との広域連携、国や県との連携についても新宮市長の果たす役割は大きい。上田氏の政治信条の「新宮愛」を、市民はじめ多くの人に浸透させることが市政発展への近道になる。その手腕に注目していきたい。
 

      10月27日の記事

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