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社説「新宮市長選へ 関心徐々に」

 参院選が終わり、国政が新たに動き出した中、当地方では10月に控えた新宮市長選への関心が徐々に向けられている。当初は現職が5選を目指し立候補すると見られていたが、体調不安を理由に6月、今期での引退を表明した。告示まで3か月を切った段階で、まだ誰も正式に立候補を表明していないという異例の事態となっている。

 水面下では立候補の決意を固めている人物が複数いるほか、態度を保留している政治経験者もいるなど駆け引きが続く。それぞれ後援会組織を盤石にし、公約を練り上げた上で立候補を表明すると見られる。いずれにしても今度の市長選は16年ぶりに新しい市長を考えることになる。

 急速に進む人口減少と少子高齢化。国策として取り組むべきことだが、新宮市も抗(あらが)うことをしなければ、まちは衰退の一途をたどってしまう。昨年度の出生数が100人を割ったことに市当局はどれだけ危機感を覚えているか。幼児をもつ保護者の中には、旧市内の学校統合を加速させるべきとの声もある。人口を増やすことは容易ではないが、交流人口拡大を常に意識した施策を講じ、経済を安定的に循環させることができれば、活路は見いだせるのではないだろうか。

 また、防災対策にも注力が必要。7月30日にはカムチャツカ半島の地震により津波警報が発令されたが、真夏の炎天下に高台に避難しろと言われても、近くに避難所があればよいが、移動手段のない高齢者にとっては日陰も水もトイレもない場所で何時間も耐えるのは厳しい。避難環境はまだまだ脆弱で、助かった先の備えを本気で考えなければならない。

 立候補予定者には当選することがゴールではなく、そこをスタートに長期的視野で市政に取り組む姿勢を見せてほしい。現職であればこれまでの実績を強調しながら無難な公約を打ち出すのが一般的だが、難局を打開するための思い切った政策を掲げてはどうか。もちろん財源の裏付けは示す必要がある。有権者に耳触りの良い言葉を並べるだけなら誰でもできる。実現までの道筋も示すからこそ政治家ではないだろうか。市民は市長の椅子に座りたいだけの市長を望んでいない。市長選では政策論争を期待し、紀南新聞としても紙面で掲載していきたい。

      8月 1日の記事

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