那智勝浦町は2月22日(土)午後1時15分(開場0時45分)から、同町那智山の那智山青岸渡寺信徒会館で、世界遺産登録20周年記念シンポジウム「那智大滝と地域の未来」を開催する。参加費無料。現地参加200人(先着順)のほかオンライン配信も行う。参加申し込みの受け付けを8日に開始した。
昨年、登録20周年を記念して開催された、根津美術館での「那智滝図」の特別展示、東京大学でのシンポジウム「自然への祈りと那智大滝」の開催に続き、同町でも記念行事を計画した。熊野三山協議会が共催、青岸渡寺、熊野那智大社、南紀熊野ジオパーク推進協議会が協力する。
那智勝浦町では、熊野信仰の象徴でもあり同町の顔ともいえる「那智大滝」を、源流域の保全を通じ、保水力の向上を図り、未来永劫に流れる姿を守り、後世へと引き継ぐことを目指している。シンポジウムの開催を通して、これからも改めて那智大滝の歴史と文化の価値を知ってもらい、保全につなげていく意識の高揚を図る。
当日はまず基調講演として、「那智大滝と信仰のかたち—滝・神・観音の重なり−」を演題に、奈良大学文学部文化財学科准教授の大河内智之氏、「那智参詣曼荼羅の魅力」を演題に、国際熊野学会代表委員・熊野三山協議会幹事の山本殖生氏がそれぞれ語る。続いて、那智参詣曼荼羅絵解き実演を、熊野那智ガイドの会の生熊みどり氏が行う。
記念講演は、「瀧の力、森の力」を演題に、建築家の隈研吾氏が語る。その後、「那智大滝周辺の植生環境」について、熊野自然保護連絡協議会会長の瀧野秀二氏が講話する。
申し込み・問い合わせは、那智勝浦町観光企画課(電話0735-29-2007)。なお、会場付近の駐車場(有料)の台数に限りがあり、できる限り公共交通機関の利用に協力を求めている。