那智勝浦町那智山で19日夜、年越しの那智の滝・三重塔のライトアップに向けた試験点灯があった。合計9基の投光器に照らされて、冬の夜の闇に、滝と塔が幻想的に浮かび上がった。
年越しのライトアップは、昭和62年、NHK「いく年・くる年」の企画として多岐に証明をあてて実況中継が行われたのがきっかけで始まった。光に浮かぶ滝の神秘的な姿が全国に感銘を与えたことを受け、1988年に6基の水銀灯を設置し、同年の大晦日から翌1989年の元旦にかけてライトアップを行い、以来続いている。
三重塔は塗装の工事のため今年9月中旬から12月終わりごろの期間、足場が組まれていたが、この日には足場は撤去されており、その姿が見られるようになっていた。26日に再び開館する。
今年も大晦日(おおみそか)の日暮れごろからライトアップが始まり、元日の朝まで点灯される。
那智山青岸渡寺の木亮英住職は「来年に向けて世の中が光り輝きますように。心の光もともしてもらいたい」と話した。